顔ちぇきで考える清純派出会い系SNS

モバゲーを瞬殺した「顔ちぇき」という怪物 - Student magazine
mixiもモバゲーもSNSには出会い系的要素が多分にあるということは改めていう必要もありません。しかし、その出会い系においてどうしても必要となるのは何か(あるかないかで全然違う要素は何か)というと、それは間違いなく「写真」です。もっといえば「顔写真」です。
しかし、出会い系要素を前面に出したアダルトサイトと違い、一般向けのSNSでは顔写真を載せるユーザーはほんの一部です。(顔写真なしでも出会い系として利用するSNSユーザー多し(業者も含めて)。載せれば良い意味でも悪い意味でもやばいことになることは容易に想像できる。)顔写真を載せない理由は大きくこんな感じでしょうか。

  1. 自分の顔に自信がある場合
    • 自慢と思われる
  2. 自分の顔に自信がない場合
    • 普通にきもいと思われる
  3. 面倒くさい
  4. 必要がない

ちなみに、携帯SNSでは顔写真を載せる少数派はよく「キモいけど」と一言コメントでクッションをおき謙遜を示すことで「ちょっとかわいいから、かっこいいからって自慢すんな!」という非難を回避しています。
では、仮に顔ちぇきのブランドで出会い系を意識したSNS参入をした場合を妄想してみましょう。前提として、「自分が有名人の誰に似ているのか?」をコミュニケーションの基本とするSNSとなりますので顔写真は当然プロフィールに載っていることになります。(今話題の"twitter"はコミュニケーションの基本が「今何をしているか?」ですよね。)

  • 1のユーザーは自分の顔写真を公開しても自慢ととられない理由を手に入れることに成功します。これは意外にすごいこと。
  • 2のユーザーも携帯で写真を撮って、メールに添付して送信するだけなので、面倒という理由がなくなり、1か2になります。
  • 4のユーザーへは出会い系の醍醐味をじょじょに教えてあげます。
  • 2のユーザーへは写真は取り方次第で0点にも100点にもなることを教えます。つまりはベストショットなら大丈夫でしょと。簡単な写真の加工サービスがあればなお良いですね。

テキトウですがまあこれで結構垣根が下がります。出会い系目的のユーザーの粘着力と太っ腹さは運営側としてもかなり魅力的なので、出会い系の問題点さえ潰せば化けるんではないでしょうか。携帯認証とか、ユーザー同士の評価制度とか色々頑張って問題点潰す工夫すれば面白くなりそうなんですがどうでしょう。もちろん、出会い系前面に押し出してはいけませんし、年齢制限も必要でしょう。有料にしてユーザー絞るとかもありっすかね。ただ、現実に出会って犯罪になったら危ないとかいう指摘は現状では他のSNSも同じです。50歩100歩っていったら怒られそうですが。

こう考えてみると、顔ちぇきの場合既に顔写真解析という確固たるブランド出来上がっている点で非常に有利なのです。

そもそも携帯のカメラ機能を有効活用したサービスはあまり見られない

そのままです。これを利用して頑張ってもらえると面白いなと。

話は変わって、顔ちぇきからメール来た

昨日顔ちぇきからメールで新サービスの案内が来ました。新サービスとして加わっていたのが、

  1. 七夕企画「恋人なら誰に似てるか?」
  2. テレビドラマなら誰に似てるか?
  3. お父さんは誰に似ているのか?

正直、結構微妙であり、当初のインパクトと比較して弱いことは否めませんが、サービスとしては一貫しているので飽きさせない程度にサービスをリリースして、一刻も早く収益性のある事業を掘り当てて欲しいものです。うーん、ですが公式サイト以外の勝手サイトでは、ゲームやコミュニティ系サービスでないと継続利用させるだけ魅力的なサービスを構築することはかなり難しいのが現実でしょうか。(それでも魅力的と認められるサービスはほんの一部)

SNSについて

mixiも瞬殺「顔ちぇき」がSNS参入を示唆 - Student magazine
上記記事と合わせて冒頭でも述べたSNSについてですが、
eyenowa.jp
というSNS的サービスは既に顔ちぇき関連SNSとしてあります。顔ちぇき流れで新規にSNSを作るとも考えられなくもないですが、顔ちぇきのメールでこちらへの誘導をかけていました。こちらは今のところまだあまりユーザー集まってないみたいです。

仮想通過詐欺L&G(円天市場)、ハイパーインフレ突入でカウントダウンへ

そろそろ円天市場(L&G)について一言いっとくか - Student magazine
どうも、アマチュア詐欺研究家ポールです。前回、記事にした社会問題化した詐欺団体L&G(円天市場)の続報です。

詐欺としては異例の壮大な仮想通過圏を形成し、さらに飛ぶ鳥を落とす勢いで全国各地に拠点を作っていった詐欺団体L&G(円天市場)ですが、ついにその幕を閉じようとしているようです。当初、1円=1円天とされていたものが、

蟹5杯6万円天、古いDVD5枚1万円天、100円タオルが7000円点。誰が見てもわかるとおり、円天市場は今や超インフレです。この状況を受け、L&G側は加盟店への25%換金を勝手に中止。

今回の件を受けてL&Gは、「加盟店側に問題があるから支払いを中止せざるをえない。」と言っています。

円天市場は超インフレ:円天

事実関係の確認はとれていませんが、インフレは誰もが予想していたシナリオでしたので妥当なところでしょう。(もちろん、L&Gにとってもシナリオ通り)前回のコメントでもいただきましたが、今後このハイパーインフレにともなう「デノミ(通貨単位の切り下げ)」が行われるのかも注目のポイントです。もう今デノミしたところでどうにもならないでしょうけども。ちなみに、ここでの加盟店への25%の換金を中止というのは、

「円天加盟店としての純粋な円天売上であれば、L&Gに申込むと、売上円天の25%に相当する日本円を無金利、無催促、無税の条件でL&Gが融資する」

ということです。つまりは、円天加盟店との交換レートが「円:円天=25:100」だと考えられます。なぜ融資になっているのかというという部分が疑問になりますが、これはこの大きな詐欺構造を複雑にし、実態をつかませにくくするためだと考えることもできます。さらにこの融資制度をL&G(円天市場)側は加盟店などの中小企業会計における税金対策などで効果的だとうたってアピールポイントにすらしています。別にいいけど、レートが・・・。いや、これはもう確信犯であり、非常に悪質です。加盟店の稼いだ円天通過の換金が出来ない以上、この仮想通過圏はもうほぼ崩壊といって間違いないでしょう。

まずは出資法違反

また、L&G代表は出資を募る際に元金保証を約束するような発言をしていますので、出資法違反は免れ得ないでしょう。(ここでは、出資法違反の要件の「不特定多数への募集」満たすかどうかが議論になっていますが、L&G側の見解がどうかとは関係なしに客観的にみて不特定多数だと判断できるのでアウトでしょう)

ハイパーインフレでカウントダウンが始まった

さあ、近年まれに見る被害額を出すのではないかと噂される詐欺組織崩壊の日はもう手の届くところまできています。当ブログへも、検索キーワード「円天」などの円天市場・L&G関係での来訪者が1ヶ月弱で数千件に達しており、この問題に対する注目度の高さが伺えます。
これから、どの時点で本格的に警察が動き、出資法違反を含めどのような法的な制裁が加えられるのか要注目です。*1

*1:同時にメディア、行政の動きもウォッチされたい

携帯コミック市場爆発の裏には性欲の爆発あり

ごきげんようマトリックス(えびぞり)をやらせたら世界を舞台に戦える実力を持つポールです。まあ、そんなことはいいとして、まずは以下のニュースをどうぞ。

コミック配信が急増した原動力は携帯電話向けの配信。PC向け/電子書籍端末向けの配信も2005年から2006年にかけて、15億円から25億円に拡大しているが、携帯電話向けの配信は、2005年の25億円が2006年には165億円となった。これはコミック配信市場の87%を占める。

拡大する電子書籍市場、コミック市場は190億円規模に──シード・プランニング調べ - ITmedia Mobile

しばらく静観しようと思っていたのですが、そろそろ我慢できなくなりました。まあ、携帯コミック市場すごいみたいですが、ちょっと下をご覧下さい。もう相当前からお気づきの方も大勢いらっしゃると思いますが「市場拡大の先陣を切るのは性的コンテンツ」という奴が携帯コミックでも当てはまります。

携帯コミック主要サイトトップページ週間ランキング*1

パピレスDXコミックス館
  1. ようこそ、僕の保健室へ
    • 保険の先生の応急手当はHすぎ!
  2. 獣のように・・・。
    • 仕事の鬼と呼ばれる私を、誰か組み敷いて!!
  3. 記すのは君の媚態
    • 憧れの官能小説化は・・・野獣でした!!
めちゃコミ
  1. AVない奴ら
    • AV制作会社で機材運びのアルバイトをすることになった新井健太、25歳。しかし、騙されてビデオに出演するハメに……。自慢の超デカエリートチン○改め、リストラチン○でAV男優に華麗に転職!!
  2. SとM
  3. 桃香クリニックへようこそ
コミックシーモア
  1. 保健室のオオカミ少年
    • 男子校の保健の先生をしている私。元気すぎる少年たちの相手は大変! ……さらにナイショの彼はナマイキ生徒。強引な彼に振り回されるドキドキショート!
  2. 熱い胸騒ぎ
  3. エロチカ王子

ジャンプとかそういう漫画の類が人気なんだろうなと思いっちゃいますが、携帯コミック市場165億円は性欲の塊でした。エロチカ王子などの微妙な時事ネタもあるなんて素敵。本当にありがとうございました。

どういう神経で一般庶民にセクシャルコンテンツ押し付けてきているんだ!

携帯を見ているとやたらと電子コミックの広告を目にします。EZニュースフラッシュやモバゲーでとこれでもかとばからに電子コミック広告がしゃしゃり出てくるわけですが、「あ〜、わかったわかった。見てやるよ。見れば良いんだろ。落ち着け!」と諦めて広告をクリックしてみれば、やれ「SM」だ、やれ「ボーイズラブ」だのと、成人向けとしてもやや首を傾げたくなるセクシャルなコンテンツが盛り沢山で待ち構えているのです。

なるほど、世の紳士・淑女諸君や子供たちが男性同士の恋愛を描く「ボーイズラブ」が大好きなのか!ニーズがあるからサービスが生まれる!うほ!これはたまげた!いやいや、ボーイズラブですか!いやあ、すげえ!マジすげえ!まじ半端ねえ!マジ半端ねえ!すげえ!すげえ!すげえって!ちょちょちょもうたまんねえーーーーーーーーー!!!ふぉーーーー!!!

て、やかましいわ!ボケ!!!んなわけあるか!ニーズはほぼない、超ニッチや!調子のんな!世の中の大勢はボーイズラブが別に好きじゃないし、SMにもそんなに興味はねえっつーの!そしてこれからも興味を持つことはない可能性が遥かに高いわ!ニーズを勘違いしてもらってはこまる!性的欲求でニーズをねじまげてしまっている!

とまあ、こういうわけでですね、こういう広告を見てるとあまりいい気はしないんですよ。少し気分を害すわけですよ。どういう神経で一般庶民にセクシャルコンテンツ押し付けてきているんだ!と。

少女コミック問題もそうだけど、携帯コミックの方も忘れるな

こういうのはある程度の年齢層ならいいですけど、あまりに若年層にはよろしくないのは明らかでして。これは最近話題の「子どもに読ませたくない雑誌」の上位を独占する「少女コミック」の問題と一緒ですよね。

モバゲーを筆頭とするSNSサイトなどでは下は小学生・中学生からユーザーがいるというのに、広告として興味があるなしに関わらず、サイトの導線の中でユーザーの目に入ってしまうわけです。それをクリックするユーザーも、そのユーザーの親や学校などの教育者も、サイト運営側も、広告主側にも全ての関係者に倫理観が問われるところです。(そもそも親などは子供の携帯事情を知らない方も多い)

でも、広告主である携帯コミック業者からすれば止められないでしょう。儲かってるんだから。ビジネスとして見れば、性的欲求をPCよりも課金のしやすい携帯市場に持ち込んだ。そして、比較的受け入れが容易でかつ嫌らしいイメージが抑えられる携帯コミックの購買に向けさせた。この一連の流れは評価されるべきかもしれません。

性欲が市場を切り開くとはいえ、その影響を加味した上で倫理観が問われる

PC広告でもまだ全然十分じゃないのに携帯広告に期待するのは酷ではあるんですけれど、どうかできるだけ早い段階で携帯広告市場が成熟し、様々な種類の広告が集まり、ユーザーの特性にあった広告が配信できるようにしてほしいものです。でないと、今のような携帯広告の現状は目に余ります。これは広告だけの問題では決してないんですけれども、広告で広い年齢層から携帯コミックサイトに誘導してきているわけですから、まずは携帯広告の問題といえます。

こんな現状はけしからんと僕はこの携帯コミック市場爆発の裏にある性欲の爆発に「いいかげんにしろ!携帯はPCよりも遥かに子供に与える影響が強いんだってば!」と苦言を呈したい訳なんですが、ここは過渡期なので厳しくいってもしょうがない面があります。ただ、個人的には政府レベルで若者にとっても有害とならない形に主導していくべきだと思います。

携帯広告の問題だが、やはり社会全体として

今回の件は携帯コミック市場の爆発を(若者の)性欲の爆発に結び付けてただ単に危機感を煽りたいわけではなく、実際に以前塾講師をしていたときに、僕より少し下である、少年・少女の世代の携帯も含めた私生活を見たりして「ああ、これはいかんな。どうするべきだろう?」と問題意識を少なからず感じていたことが背景にあることをお分かりいただければと思います。性欲が市場の牽引役であることは合点承知です。ただ、社会的影響もやっぱり考えないといけませんよね、性的欲求でニーズをねじまげてますよね、ってことです。パソコンでのインターネットが少年・少女に及ぼした影響は甚大です。そして、それ以上に携帯でのインターネットの影響力は凄まじいものがあります!そこをコンテンツ配信業者、携帯広告業者、携帯キャリア、ユーザー、ユーザーの教育者も含めた社会全体としてもっと重く受け止めなければならない気がしてなりません。

*1:6月19日調べ、主要サイトの定義は適当です。携帯やっててよくみかけるサイトを抜擢

livedoor readerで特定記事のRSSが更新され続けています。すいません。

そろそろ円天市場(L&G)について一言いっとくか - Student magazine
上記記事のRSSが自動的に更新され続けています。本文内容に問題があるのでしょうか?livedoor readerは記事内容の訂正等がなければ、同記事のRSSが更新されることはなかったはずなんですが・・・理由は検証していますが、全く不明です。文系野郎なんでこういうのはもうお手上げです!livedoor にreaderをご使用の皆さん、未読記事に毎回同じ記事が更新されてしまいまして申し訳ありません。
http://d.hatena.ne.jp/Paul3/rss2
のRSS2から
http://d.hatena.ne.jp/Paul3/rss
RSSにフィード変更すると多少問題が解決するような気配がしますので、お手数でなければ是非。
また、RSSリーダーとして、
レコメンデーション機能を備えたRSSリーダー「SocialFeed」
goo、ユーザーの嗜好に合った「おすすめRSS」を表示する実験
のように面白いサービスも出ていますのでそちらに以降されるなんて荒業をこの際どうでしょう。流石にそれはないか。すいません。

livedoor readerでのRSSの不具合解消の目処がつきました。お騒がせしました。

本日の記事更新から一時間程で、livedoor Readerの中の方"mala"さんからコメントいただきました。

mala 『livedoor Readerの中の人です。
問題の記事ですが、最新5件から外れているのでもう上がってこないと思いますが。

記事中に含まれている「丸数字の1」がはてなダイアリーの出力するフィードの中でその文字だけ文字化けした状態になります。その文字化けした部分が巡回したタイミングで異なる文字になります。

現状こちらとしては内容が更新されてるので新着扱いになる仕様になってます。』

ブラボー!いや、もう本当に、ブラボーですよ。僕はブラボーなんてめったに言わないことは、もう皆さんご存知かと思います。自明です。その僕が「ブラボー!」と言った。この意味を深くかみ締めて下さい。いやぁ、このときのために僕のブラボーを今の今まで大切に温存していたのではないか、というぐらいブラボーですよ。ミスター・ブラボーですよ。ブラボーキングダムですよ。

malaさん、ありがとうございます。この感謝の気持ちを忘れずにこれから生きていこうと思います。辛い時も、悲しいときも!生きる希望が沸いてきました。笑
いやぁ、すごい!こんなに即レスいただけるなんて、もう明日死んでも悔いはありません。さようなら。

新卒学生が速攻で1億1258万円儲けるための会社の選び方

ポールです。金儲けの良い方法考えました。これは法令順守なんて糞食らえな皆さんに朗報です。自分が儲ければそれでいいという皆さんに朗報です。競争率の高い企業の行くのは止めましょう。商社やコンサルがかっこいいって?んなアホな。目を覚ませ!儲かる会社が一番だって!もっと競争率が低くてウハウハな会社があるわけです。株式投資と同じ。有名企業だから儲かるわけじゃない、目の付け所が大事です。

  1. まず、企業のディスクロージャー(情報公開)支援を行っている会社に入社します
  2. インサイダー情報を入手します
  3. お金を集めて、その情報を利用して株取引をします
  4. ウハウハになります
  5. 会社を辞めて本当に行きたかった会社に第二新卒で入りましょう

(お金は十分にあるので働かなくてもいいです)

失望しました

えー、インサイダー取引のニュースを耳にしました。いやもうね、失望なわけですよ。夢も希望もついえたわけですよ。前から面白い事業してるなと思って結構気にしていた会社が「絶対やってはいけないこと」をやっちゃってくれたからです。正直、本当に悲しいわけですよ。

印刷会社元社員がインサイダー、校正作業で情報入手 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

上場企業の株券印刷などを請け負う東証1部上場の印刷会社大手「プロネクサス」(東京都港区)で、企業が株主に発送する通知の校正作業を担当していた元女性社員らが、仕事で入手した株式分割の事前情報を使って取引先企業の株を購入していた疑いが強まり、証券取引等監視委員会は7日、元社員と親族の計7人を証券取引法違反インサイダー取引)の疑いで秋田地検に告発した。


同地検は同日中にも、同法違反容疑で強制捜査に乗り出す。


告発されたのは、東京都葛飾区の佐々木美千子・元社員(43)と夫(36)、秋田市に住む夫の父親の会社役員(61)と母親(61)ら親族計7人。プロネクサスは、東証から株券印刷の指定を受けている8社のうちの1社。監視委の調べによると、佐々木元社員は株主に発送する取締役会決議通知などの校正作業を補助する業務を担当し、業務の中で株式分割の情報を知るたびに、親族に電話や携帯電話のメールで知らせていた。


元社員と親族は、この情報をもとに、東証1部上場の伊藤園など計18社が株式分割を公表する直前の2005年4月〜06年3月、15万9770株を計約8億5000万円で買い付けた疑い。元社員らは、各社が公表し株価が値上がりした後にすべて売却し、計約1億1258万円の利益を上げていた。監視委は06年9月、関係数か所を捜索し、解明を進めていた。今後は秋田地検と合同で捜査を続け、資金の出所などについて調べを進めていく。


同社は1930年に創業。株券や企業の情報開示文書などの専門印刷会社で、07年3月期の連結売上高は219億8700万円。06年10月に亜細亜証券印刷から社名変更した。約2300社の上場企業と取引がある。

印刷会社元社員がインサイダー、校正作業で情報入手 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ついに | isologueでも取り上げられていますが、これはかなりやばいことです。ここプロネクサスはとてつもなく多くの上場企業との「有価証券印刷」や「ディスクロージャー支援」などの取引を持っているわけです。
ちなみに東証一部上場企業です。

当社の主力事業は上場企業を中心とした事業会社のディスクロージャー・IRツールの制作です。2006年12月現在、国内上場企業約3,900社中、約 2,300社から、有価証券報告書決算短信株主総会招集通知や年次報告書などの定期的な開示書類のご発注をいただいており、それらの主要品目の多くでトップシェアを有しています。また、新規株式公開(IPO)企業の約62%から上場申請書の制作を受注しています(2006年1月〜12月実績)。

ソリューション|株式会社プロネクサス

国内上場企業約3,900社中、約 2,300社からディスクロージャーに関わる業務の支援を行い、企業のIR担当者向けにディスクロージャーに関するセミナーも行っている会社であります。年間250回以上、2万名以上の参加者を集めて。そんな情報開示の大先生となるような企業が「インサイダー取引」という聖域に手を出してしまいました。「インサーダーはいけませんよ!」と生徒に教えてる先生が「てへへ、やっちゃった。今後気をつけます。」ってなもんじゃ済まされない事態なわけですよ。プロネクサス宝印刷の2社によって、日本企業のディスクロージャー実務が事実上決まっている寡占市場の状況において、今回のプロネクサスの不祥事はかなり深刻です。

法令順守の企業風土を声高に叫び、ディスクロージャーには「徹底した品質管理と機密情報管理」が必要不可欠だ、「株券+情報開示書類=インサイダー情報」なんだなどと声高に叫んでおきながらこのざまです。本当に恥ずかしくて恥ずかしくてしょうがありません。信頼している友人に裏切られた気分です。

再発防止策

  • コンプライアンス知識の更なる徹底(誓約書とか厳しくしましょう)
  • 情報管理体制の更なる強化
  • 専門部署設立
  • 再発防止策の監査および推進
  • 全ての上場株券売買の「事前届出、事後報告」の義務付け
http://www.pronexus.co.jp/home/release/release20070607.pdf

などなどをやっていくらしいです。非常に気になるのが、最後の『全ての上場株券売買の「事前届出、事後報告」の義務付け』という点。

株取引が禁止されていませんでした。そしてこれからも。

いやいや、何を今更言っているんだと!インサイダー情報を知りえる立場にいながら、そういう社内規定は今までなかったのですか?いやいや、それで上場企業のIR担当者向けに実務支援やセミナーやってるとは笑ってしまいますな!甘すぎるでしょ!というか、事前届出と事後報告の義務付けでも甘いでしょ!禁止禁止!!!!再発防止を本気でする気があるのであれば、株式取引の禁止を義務付けるべきであって。日経とか禁止されてますって!この事態甘く見すぎてることバレバレですよ!東証さん、指導するべきではないですか?

ちなみに再発防止策の中に「STOP THE INSIDER」の「名札ストラップへの印字」や「スクリーンセーバーの表示」とかもあります。インサイダー取引の違法性に対する認識がストラップぶらさげたくらいで上がるとでもいうのでしょうか?気休めもほどほどにして下さいとしか言いようがありません。

結局は社員の認識、社内の空気の問題

再発防止策やるといっても結局は「社員の認識の問題」なので完璧に統制するということは無理なわけで、社内の情報管理をいくら統制しようと限界があります。そこではやはり「社内の空気感というか文化」とかが重要なわけでして。それなしに「これからは厳しくいくからな!」って社内で大号令をかけても、そういう空気を社員自らが感じ、自らが醸成していくような環境になければダメでしょう。

社内の風土として仮にインサイダーについて認識が甘い状況にあるとすれば深刻ですが、プロネクサス社内の管理体制に関しては非常に厳しい状況にあったとみて問題はないと思います。そうでなければ、多くの上場企業IR担当者からの信頼など得られませんし、東証が株券印刷を認める数少ない「適格株券印刷会社」にもなれないでしょう。今まで散々言ってきましたがプロネクサスは寡占市場のプレイヤーとしてしかるべき企業であったと思えるわけです。では、なぜこんなことになってしまったのか。何がこのような事態を引き起こしてしまったのか、容疑者の人柄・人間関係なども含めた真相が気になるところです。今回の件が一社員の暴走であり、氷山の一角でないことを祈ります。

視点を変えて、この会社の新卒入社について考えてみる

人材は営業職とか大募集中で、入社すれば、営業として入社1、2年目から上場企業のIR担当者やトップと接点が持てます。そして「インサイダーはダメよ!」という非常に厳しい教育のもと、ちゃっかりとインサイダー情報を入手し、チョメチョメすることも難しくはありません。上場企業の情報開示書類のリーガルチェックを行っている新卒2、3年の方もいます。ぶっちゃけプロフェッショナルの集団といってもみんながみんな「ビバ法令順守」のプロではあるという保証はないというわけです。

今回の件は勤続16年という年月を経てこういう事態になったわけですが、では勤続16年が必須条件だったのかというと微妙ですし、やり方を工夫すれば同じようなことが数年でできたとも考えられるわけです。

最後に

学生よ

こういった目の付け所で会社に入社するという選択肢もあるんだよ。「本当に自分がやりたいことって何だろう」って物差しで会社を選んでいる純粋な人間がいる傍らで、それをせせら笑っている「頭だけは良い極悪人」がいてもおかしくないんだよ。

だから株式投資は不公平なんだよ。。。

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やっぱり保田さんがおっしゃるように儲かりませんわ。儲かってもやってられませんわ。こんな、せこをしている「神」がいたら。

実のところ

ついこの前、僕の仲の良い友人が就職先をどういう風に決めたら良いか分らなくて困っているという状況でしたので、ディスクロージャー周りに興味があった僕は「この会社面白いぜ!」って大絶賛して強引に新卒会社説明会に連れて行ったことがあったわけです。それも1人じゃなくて2人も。彼らは運良く「どうしても興味がわかない」と言って結局選考に進むことを拒みましたが、振り返ってみると今僕は自分のバカさ加減というか甘さがものすごく恥ずかしくて恥ずかしくて、仕方がないわけです。自身が入社する気はなかったにせよ、信頼する友達にオススメする程だった会社がこういう事態になってしまうなんて。本当に悔しいです。