モバゲーを瞬殺した「顔ちぇき」という怪物

どもども、ポールです!テレビでも報道された写メ診断の「顔ちぇき」が物凄い人気を呼んでいます。リリースから一ヶ月もしないで累計利用者数は700万人という驚異的な人気ぶり。これは尋常じゃありません。同じく携帯で爆発的な人気で話題の「モバゲータウン」をも一瞬で凌駕する爆発力。(モバゲーは2007.5.11プレスリリースでは500万人突破)(会員数と累計利用者数を比較するというテキトウさも大目に見てあげてください。)
ほぼ完成されたビジネスモデルのモバゲーと「顔ちぇき」を比較するのはおかしな話ではありますが、「ユーザーを呼び込む口コミパワー」という一点においては目を見張るものがあります。*1

顔ちぇき

顔ちぇき!」は、携帯電話向けサービスのジェイマジック(東京・港)が4月26日に始めたサービス。携帯電話のカメラで撮影した顔写真をメールで送ると、その顔がどの有名人に似ているかを判断してくれる。写真をメールで送ればいいだけ、というシンプルさが受け、5月17日現在で、累計利用者数は700万人に及ぶ。

日本経済新聞

写メ送ったら、どの有名人に似てるか診断してくれるサービスです。いやー、700万はやっぱりすごい!で、気になるのはサービスの内容ですよね。自分も利用していたのですが、感想としてはとにかく「結果がテキトウ」(に思える)笑。

さっそく写メ送ってみた

写メを撮って、男か女かを選んで指定されたメアド宛てに画像を添付して送ると数分で結果が返ってきます。僕の場合、プロフィールに載せてる感じの顔写真を分析してもらいますと・・・

あなたは藤木直人に21%似ています

みたいなこと平気で返してきやがりました。いやいや、世迷い言もほどほどにしてくれと。そんなんだったら何故今この僕はここでブログを書いているんだね、君?僕に藤木直人様のエキスが21%もあれば、もうあれだろ。詳しくは言わんがなんだかんだでウハウハだろう今頃!このやろうめ!
あーもう、藤木様に21%似てるって。いや、まぁ似てなくもない気もするけど。どっちかっていったら似てるよ。うん、似てる!おれ藤木様に似てるぜーーーーーー!どうも、こんにちは僕は今日から21%藤木直人です!ってやかましいわボケーーー!!!そもそも21%ってそれ結局似てないってことじゃね?!なんか藤木様にしょうがなく譲歩してもらったみたいな感じになってんじゃねーか!コラコラコラー!笑
で、それはないでしょ〜と思ってもう一枚写メを送ってみると今度は、
あなたはイ・ビョンホンに42%似ています

とか浮世離れした分析結果が返ってくるではありませんか!ビョビョビョビョンホンて。ちょ、殺されるって!ビョンホンファンにボッコボコにやられちゃうよー!「ポール≒イ・ビョンホン様」なんて等式誰が認めるのよ!神イ・ビョンホン様に逆らったって理由で時代が時代なら打ち首も免れない!僕、何も悪くないのに。ビョンホン似なんてお世辞は嬉しくない!(こともない)笑

・・・と自分に似ている有名人の分析結果を一通り楽しんだ後、mixi日記で「顔ちぇきおもしろいよ〜」って書いてました。現在「5581件」と結構な人数がmixi日記で顔ちぇきについて言及しています。ブログについては前述リンクの通りかなり広がっているようです。

画像解析技術はぶっちゃけどうでもいい

このサービス良く考えてみると「どれだけ精密な画像解析技術が使われているのかどうか」はどうでもいいということに気が付きます。全くとは言いませんが、正直技術なんて実用性がそれほどなくともいいのです。簡単に流れでみてみると、

「あなたの顔はこの有名人に似ていますよ!」
⇒「え〜、マジ?!似てないって!!!!!(このこと誰かに言いたい)」
⇒『「顔チェキ」ってのやったら私この人に似てるんだってさー。似てないよねー?』 
⇒「何それー!?面白そう!簡単だしやってみるよー☆」
⇒☆友人が顔チェキ利用☆

この流れで爆発的なスピードで口コミが伝播!(さらにはその面白さから必然的に各所でメディアが取り上げる)
こんな感じでしょうか。もう、なんなら診断結果の有名人が本人に似てない方が逆にいいんじゃないかとも思っちゃったり。

伝説の口コミ伝播「成分解析」と同じ

ユーザーの関心を呼ぶサービスというのはなかなか作るのが難しいですが、昔からその人気が衰えることないサービスに「占い」関連サービスがあります。最近では「成分解析」が一世を風靡したのは記憶に新しいのではないでしょうか。
アレの半分は何でできてる?――「成分解析」が人気 - ITmedia NEWS
ちなみに「ポール」を成分解析してみると、

ポールの解析結果

ポールの87%はツンデレで出来ています
ポールの7%は濃硫酸で出来ています
ポールの5%は理論で出来ています
ポールの1%はお菓子で出来ています

と、「いや、うるせえよ!(笑)」ってな感じで、テキトウだけど妙に細かいところを突いてくる解析結果が逆に面白いと話題になったわけです。これも基本的には文字解析技術は重要なポイントではないですよね。「顔ちぇき」もこれとほぼ同じでユーザーに似ている有名人を占いのように勝手に決めつけるというサービスです。成分解析が「ユーザーの名前」を解析して5つ程の解析結果を出したのとほぼ同じで、違う点を挙げれば、1つは「文字ではなく画像を解析」で、もう1つは「解析結果がわかりやすい有名人」という2点です。さらに加えて、口コミの舞台が比較的「PCから携帯に移った」とも言えます。

誰だって自分のことには興味がありますよね。言及内容が良いことであろうが無かろうが、根拠があろうが無かろうが、自分のことについての情報は何だって欲しいわけです。「あなたの87%はツンデレで出来ています」って言われたら「私の87%はツンデレで出来てるんだってさー。笑えるー。あんたも占ってもらいな!笑」って口コミするわけです。ここを上手くついたのが「顔ちぇき」というわけですね。

ちなみに「べた褒め手法」について

この顔チェキの診断結果で目がつくこと。友達にやってもらったり、ネットで調べて思ったんですけど、ユーザーの顔を褒めすぎ!過大評価しすぎなんですよ!笑
顔チェキ(http://kaocheki.jp) あなたが似ているのは誰でしたか? ちなみに私... - Yahoo!知恵袋
上記リンクにもありますが、「キムタク」、「石原さとみ」、「チェ・ジウ」などの皇帝、女王クラスの美男美女の有名人の診断結果ばかりが出ているわけです。それとも日本社会は美男美女似がこんなに多かったのでしょうか?
いやいや、答えは明快ですよ!顔チェキの野郎、褒め殺しでユーザーをニンマリさせて口コミしてもらおうって手ですよ!にゃろーめ!そんな姑息な手段には・・・乗りたくないけど・・・乗っちゃうのが人間の弱ささ!このー!笑
いやー、そこをうまく突いていますね。ただ、一貫して褒め殺しで来るかと思いきや、たまに室井滋さんなどコメントのしようがない診断結果を混ぜるてくるのが、なんていうのでしょうか、やらしさを感じますね。(いや、良い意味で!)笑

顔チェキ大人気のポイント
  • ユーザーをいじる (ユーザーが一番興味があるのは自分自身)
  • ユーザーを褒める (褒められたら嬉しいし、自慢したくなる⇒口コミ)
  • 技術が重要なのではない (テキトウで良いんです。そのテキトウさが良い意味で「なんでやねーん(笑)」ってなって友達に教えたくなる⇒口コミ)
  • 今までにない (類似サービスが多数あれば当然インパクトは薄れる、見せ方を変えて差別化はあり)
  • 携帯のサービスである (「携帯メール」という武器、現実世界へのリンクが濃い、何より簡単という点から口コミ伝播のスピードが驚異的)

最後の点ですが、この口コミ伝播の舞台はPCもさることながら、やっぱり携帯。SNSや携帯メールもを使うという点もありますが、やっぱり気軽に利用できるし、簡単です。口コミパワーではやはり携帯の威力がPCを遥かに凌駕するようです。
以上、このようなポイントが功を奏して口コミが広がり、必然的にメディアに取り上げられる。大手メディアが取り上げてもらえばこっちのもので、あれよあれよという間に累計利用者数700万人いっちゃったと。あっぱれ!ブラボー!!!

最後に

顔ちぇき」は今のところビジネスモデルが出来上がっていないような気がしますので、そこらへんはこれからですね。顔ちぇきの現サービスだけを見ると何度も利用するわけではなく1ユーザーにつき1回〜3回くらい利用して終わりです。この点を継続して利用できるようなモデルを組み変えることができれば本当の意味で「モバゲーキラー」になるやもしれません!*2レッツ顔チェキ!期待です!!!

*1:モバゲータウン」の場合は初期においてはゲームや独自通過モバゴールド付与による友達紹介システムでの呼び込み。現在はCMなどもあり。

*2:モバゲーとは完全にサービス内容が差別化されているんですがね