ビジネスマンの必須能力!?楽天にみる情報公開社会の「大人の対応」

ご無沙汰してます。ポールです。今回は以前から取り上げている楽天の件についてです。

楽天売れ筋商品にみるモバイルユーザーのアホっぷり - Student magazine

先日、とある機会に楽天の役員の方から「過去メディアでも取り上げられた楽天店舗の詐欺商品疑惑に対しての楽天側のおそまつな情報開示姿勢」について質問したところ、このような言葉を直接いただきました。

「いわゆる、大人の対応というものです。」

でました、大人の対応。なんか、かっこ良く聞こえますがどういうことでしょうか。以下、詳しくみてみます。

楽天店舗の詐欺商品疑惑に対しての楽天側のおそまつな情報開示姿勢

以下、この発言が生まれる経緯を説明致します。まずは、以下の当ブログの記事をご覧下さい。
楽天で「アルマーニのバッタもん」バカ売れの件の虚偽記載の証拠見つけたよ

過去の楽天店舗のバッタもん問題

道草 | 楽天で偽ブランド品販売!? ブルガリキーリング
過去も「銀座ジュエリー・ブランドショップ」の楽天店舗でバッタもん問題があったようですね。この問題は「アルマーニ問題」とは異なり、「表記が誤解を招く」とかではなく、「商品自体が中国とかそこらで作られた本物そっくりの巧妙な詐欺商品」の疑いだったようです。楽天からの発表はこちら。
【楽天市場】楽天市場からのお知らせ
えー、調査して報告しますみたいなことになってますが、それ以後どうなったのかは報告されてないようです。うやむや戦法ですか。そうですか。一応、これらの件は全ての関係会社に問合せをしています。返答がありましたらまたブログでお知らせします。

つまり、ブルガリキーリングの巧妙な偽者が販売されていた疑惑が楽天店舗にあがったわけです。それに対する楽天側の発表が以下です。
【楽天市場】楽天市場からのお知らせ

平素、楽天市場といたしましては、厳格な出店審査、各種権利団体との連携を行うなど、モールの健全な発展に注力してまいりました。

当該店舗に関しましても、真贋疑義のお問い合わせをいただきました際には、然るべき資料の提示(商品仕入にかかる仕入伝票など)を求めてまいりました。今般の報道は、とても残念であり、一層の調査を行いたいと思います。具体的には、ブルガリ・ジャポン、ブルガリ本社に書面にて本件の調査に関する協力を仰ぎ、その内容に関しましては、ホームページに報告させていただきたいと思います。

この2006年8月の発表に対して、それ以降の楽天側からの発表が全くありません。ホームページに色んなプレスリリースはあってもこの件に関しては何にも載っていません。その詐欺商品の疑惑を掛けられている物をそれなりの対価で買った消費者にとっては憤慨ものです。もう忘れているかもしれませんし、そもそもこの疑惑について気づいていない購入者も多いでしょうが。*1

ここで楽天の偉い人に聞いてみた

さて、そこで私は直接楽天の中の人に聞いてみたわけです。「そこんとこどうなってるの?」と。その回答が「これが大人の対応です。」というわけです。

つまり、「楽天は店舗側から出展料などを献上してもらってるわけで、言ってみればお客様。そのお客様に対して不利になる情報はあまり積極的には開示できない。というわけで、楽天を利用するお客様に誠心誠意情報開示するとは一度ホームページで言ったけど、まあみんなどうせすぐ忘れるだろうし、そのまま何もせずにスルーしておけばよいではないですか。これが大人の対応。バランスが大事。店舗側への配慮と消費者側への配慮のバランスが。大人の社会というものはこういうものだよ君。ポール君ももうちょっと大人になればわかるさ。」という感じらしいのです。いわゆる、うやむや戦法です。

うやむや戦法

えー、ブルガリの偽者疑惑があがった商品について楽天店舗と夕刊フジが法廷で争っている以上、モールを運営している楽天は誠心誠意消費者に対して対応するべきであり、独自の調査で明らかになったことは開示するべきですし、どうしても明らかにならないのであれば裁判で争っている内容に対して出来る限り消費者の納得のいくように情報を開示するべきではないでしょうか。大枠において情報公開透明化を良しとする流れに逆行しています。お客様は楽天の店舗で購入しているという意識よりも「楽天」で購入しているという感覚の方が遥かに大きいでしょう。と考えれば、管理責任の回避はできるのでしょうか。また、するべきなのでしょうか。
直接お金をもらうお客様を大事にしたいのはわかりますが、楽天が一番大切にしなければならないのは楽天ユーザーではないでしょうか。このような問題が起きた際に多少消費者をぞんざいに扱ったところでそれほど影響はないのでしょうが、だからといってこの対応は個人的にはいただけません。ビジネスうんぬん以前の話の気がします。

「大人の対応」って何でしょう?

これが日本のインターネット業界でもトップを走る企業が考える消費者への「大人の対応」だとすれば、個人的には大人になんかなりたくはありません。やはり、大人の対応とはもっと誠実であるべきだと思うのですがいかがでしょうか。キレイ事なのでしょうか?
この問題は当然楽天だけでなくかなり多くの企業に当てはまります。どこも責任の所在を投げ捨てる「うやむや戦法」が好きです。いやはや、「大人の対応」って何でしょう?*2

*1:ちなみに、疑惑を掛けられた楽天店舗の銀座ジュエリー、疑惑を報道した夕刊フジの双方に問い合わせたところ「現在訴訟継続中のため詳細については控えさせていただく」とのことでほとんど情報は得られませんでした。「2006年9月20日 提訴 、2006年11月21日 第一回口頭弁論期日」

*2:情報開示に対してどう考え方はこのご時世でもやっぱりそれぞれですね。