堀江氏が学生に与えた影響が地殻変動を巻き起こす

堀江氏について色々あれこれ議論がされています。
アンカテ(Uncategorizable Blog) - ホリエモン判決で東大生はどちらに向かうか?
堀江貴文逮捕による本当の損失
池田信夫 blog ライブドア事件とエンロン事件
ライブドア事件のせいで日本のWebコンテンツが育たなくなった::したらば元社長日記
堀江氏判決について考える(「結果」と「プロセス」) isologue - by 磯崎哲也事務所

なんだか今の日本の現実に憂いてしまいそうになります。明るい話題はないのでしょうか・・・ということがこのエントリを書くに当たった理由です。
さて、皆さんはお気づきでしょうか?あの時、堀江氏と堀江氏の作り出した異様な社会の雰囲気に多大なる影響を受けた学生達がそろそろ続々と社会に出てきます。社会に出る前に刺激的な一連の出来事を目の当たりにして考え込んだ世代が。彼らは一体どんな人間なのでしょうか。いずれにしても、これだけは言えるのではないでしょうか。

いわゆる76世代を遥かに超える次世代が、まもなく大波のように現れる

彼らは知っています。あの頃の起業ブームも。*1

起業セミナーがあちこちで開かれ、どこに言ってもみんな起業起業と熱気むんむん。起業本が巷に溢れ、学生向けの起業本も現れ、それに対抗し、安易な起業を危険視する警鐘本もバカ売れしました。あまりの熱狂ぶりに学生相手のベンチャー詐欺まで横行する始末(これに関してはいずれ記事にします)。起業するならまずインターンしてみるべきだというので、ベンチャー企業にいってみれば、ベンチャー企業のひどい実情を目の辺りにしました。

そして、ふと周りを見渡せば起業を志す学生たちが。起業家志望のモチベーションの高い学生達がそこら中に見受けられました。考えが甘く起業ブームの世間に流されている人間が大半だということは言うまでもないにしても、そんなことは関係ないのです。彼らはとりあえずは一生懸命でした。そこいらの遊び呆けている学生なんか比べ物にならないほどに熱意に溢れていました。社会に大きなインパクトを与えてやろうと燃えていました。成り上がってやると燃えていました。そして、それができるような気が本気でしていました。そしてそこには、何だか清々しいまでの心地よさまでありました。そう、堀江氏の影響です。

彼らは知っています。堀江氏の爽快なまでのスピリッツを。

堀江スピリッツの広大な影響範囲

堀江氏と彼の醸成した社会風土により、本来なら喚起されるはずのなかったであろうビジネスにあまり興味のない一般層にまで「堀江スピリッツ」が注入されました。理系から文系まで各分野の学生に満遍なく堀江スピリッツが行き渡るという、珍しい事態です。間違いなく直接的、間接的に影響された学生は多いはずです。もちろん、反堀江スピリッツなるものも醸成されましたが、ここではそれは問題ではありません。

そして、それは彼が血祭りに上げられた後、各個人の中で疑問ややり場のない怒りと共にそのスピリッツは各々の中で消化されました。一時はその堀江スピリッツはなくなったかのようにも思えました。しかし、少なからぬ学生達はあの一連の事件後、自分の力で考え、動き、確固たる信念を創り上げています。それはもちろんオリジナルの堀江スピリッツではないでしょう。堀江スピリッツをもとにその後彼らが自身で作り上げた正真正銘の信念、スピリッツです。

まもなく彼らがやってくる

社会に出る前から堀江スピリッツを注入され、そしてそれを一連の事件で一度完全に否定され、さらに自分なりのスピリッツを再構築し、堂々と確固たる信念を持って社会に挑戦していこうとする多くの学生達がまもなく続々と社会に出てきます。一流のエンジニアを目指すものもいれば、マネジメントのプロやマーケッターを目指すものまで多種多様です。そして、彼らは違います。なあなあと就職してお金貰って生きていければいいやとは思っていません。ただ単純にコンサルだ、外資だなんて愚かな考えも持っていません。もちろん、安易に「やっぱ起業が一番だ」とももう思ってはいません。起業ブームと呼ばれる熱狂は堀江氏、ライブドアと共にもう終わりを告げたのです。

程度の強弱こそあれ、それぞれの学生はあれだけの荒波に若いうちから翻弄されています。その経験故に一筋縄ではいきません。彼らは単純ではありません。これからの自分に人生において、社会に踏み出す一歩目でどうすればいいのかわかっています。どうするべきか知っています。自分なりの考えを持っています。(彼らの中には既に起業して頑張っている者たちも当然います。)

しがらみのない後継者たち

ライブドア事件から学ぶことは多くのブロガーの方が解説して下さっています。しかし、では堀江氏を叩き潰したエスタブリッシュメントを批判したり、冷静な目で分析する懸命な先輩方は本当のところ僕たち学生には何を示そうてしているのでしょうか。それはまだ僕たちにはわかりません。堀江氏に代わるような影響力を持つ人は当分現れないにしても、いずれ若い現役の偉大な諸先輩方が先頭に立って日本を変えていくことでしょう。そして、それを援護射撃するように今から社会に出て行く僕たち学生の世代がなによりも頑張らなければなりません。場合によっては先輩方に代わって最前線で戦わなければなりません。

もう社会に出てしまっている76世代などの一つ上の先輩方だと少なからぬしがらみもあるでしょう。現状の不満に対してなかなか思うように行動できない足枷があるかもしれません。ですが、僕らはそうはいきません。僕らはしがらみもなんにもないんです。今まさに舞台に立とうとしているのですから。

学生よ、憂いるのはまだ早い

堀江氏の善悪は僕が語るべくことではないので置いておくとしても、彼のスピリットは今、形を変え次なる世代*2のもとで新たな地殻変動を起こそうとしている。いや、起こさねばならない。僕たちは日本経済を、日本を憂いている場合ではないのだ。

行動を起こせ。己のその信念に則って。

*1:彼らとは、学生の中でも行動が活発な一部やエンジニアの一部。その割合は他の世代よりも相当に多いと考えます。

*2:後継者と呼ぶべきかどうかはお任せします