web2.0の世界で僕が性悪説で生きる理由

多くの人は悲しくなるほどに正直で、無垢で、純粋で、疑う能力に欠けているのではないかと思います。見習いたいほどに人良さ過ぎ。騙されても、騙されたこと自体に気づかなかったりするから、幸せなんだけど、傍から見てるとオメデタイなあ、なんて思ったりもするのです。リアルの上にweb1.0が、web1.0の上にweb2.0が積みあがっているとするならば、リアルの世界を性悪説で生きた方が良い以上web2.0であろうが性悪説で生きるべきなんでしょう。疑った後に信じれば良いのではないかと思います。信じた後にはなかなか疑えないけど、疑った後にでも信じれるものです。
例を挙げるまでもないのですが、疑う能力のない者が騙されるほんの一例を。

web1.0におけるケース(ごく普通のネットショップのユーザー)

Eコマースが普及して、普通にインターネットで買い物する人が多くなってきました。それに伴い様々なネットショップが渦巻いています。正直、リアルと違ってウェブ上なら簡単にコストもかなり安く出店できるし、商売している感覚もリアルで販売しているよりも随分薄い面があります。ネットショップはリアル店舗と違って商品そのものをユーザーに見せることができませんので、それ以外のコンテンツで訴求するほかありません。それ以外のコンテンツといってもそんなに魅力的なコンテンツがいつも用意されているとは限りません。そうなると、ショップ側が商品に関して、「極度な誇張表現」をしたり、「虚偽の記載」に手を出したり、「情報格差を利用して価格を不当に設定」したりなんてことが普通に起こったりします。つまり、
「コンテンツ作り」です。
本当だろうが嘘だろうが、倫理的に問題があろうがなかろうが、コンテンツを作っているんです。リアルでの販売にも勝るとも劣らない実態がそこには存在しています。要するに「まあええか」的な部分が少なからずあるんですよね。商品の情報提供も商品そのもののクオリティに関しても必ずしも100%完璧である必要はないといいますか、80%いや30%くらいでも十分なんじゃね?みたいな部分が。(もちろん全てのネットショップに当てはまるわけではありませんが。)

いやでも、比較とかできるっしょ?

ネットは「価格比較」とか「品質比較」がやりやすいからそんなわけないんじゃない?・・・とかは甘すぎです!激甘です!ホントに糖分は控えてください!比較しずらい商品なんて腐るほどありますよ。ネットをフル活用して比較できないユーザーなんてたくさんいますよ。それに個人的にはネットではニッチな商品を買うことが多いです。すると必然的にサプライヤーが少ないため比較等が難しくなります。
サプライヤーが多ければ、消費者の能力が低くてもサプライヤーの方で競争が起きて削りあってくれるからいいのですが、少なければ消費者の疑う能力がそのまま総合的な購買能力に反映されます。これって結構シビアなんですよね、実際。

web2.0におけるケース(集合知

web2.0だとCGMとかUGMとか、いわゆる集合知なんてよくいわれてますけど、これを手放しで喜んでいるなんて愚かとしか言いようがないと思うんです。だいたいのケースにおいてこの集合知が生まれる場所には、その場所を提供している団体があり、利害関係者が存在していることがほとんどです。
ということはこの集合知の集合の中にはその「利害関係者」も当然入っているわけです。口コミだとかレビューだとかはその典型。ブロガーにインセンティブ与えて記事書かせるなんてマーケティングが最近問題にもなっていますね。やらせブログで炎上しているのも氷山の一角どころか、0.5角とか0.3角くらいじゃないんですかね。

レビュー(口コミ)

例えば、レビュー。あんなものは簡単に信じてはいけません。amazonの本(楽天でもなんでもいい)でたまたま気になってたのがあったとして、そのレビューが3つ4つあって、その評価がすっごくいい!よっしゃ買おう!っていう普通にありそうなパターンですが、これはどうかな、と思うのです。その本の利害関係者もバカではないので、レビューを参考に本の購入を決定する人もいるであろうことなんか知ってます。
そのレビューはその本の著者本人かもしれませんし、出版社等の関係者かもしれません。この可能性は実際僕が思っている以上に高いんではないでしょうか。(たまに、いかにもってレビューに出くわしますし)レビューが10個あったとしても僕は簡単には信じれませんね。評価が高かろうが低かろうが。まあ、レビュー参考にするんならレビューした人が他にどんな本のレビューをどんな風に書いているのかまで見て判断するべきではないでしょうか。この判断もそう簡単じゃないんですよね。頭の良い偽レビュアーが本気出してきたら見抜くのは非常に困難を極めます。口コミのCGMでも同様です。

ソーシャルブックマーク

欠番指定::はてな別館 - SBMを勉強しない学生さん■追記あり
驚きを通り越してもう賞賛に値するのではないかと個人的には思っています。サービスを熟知していないくせに悪いように利用しようとするんだから、もう。ブクマがマーケティングに利用されています。しかし、これは下手糞過ぎる例でもっと巧妙にうまくSMOといわれる手法を駆使しているところも間違いなくあることでしょう。

Wikipedia

池田信夫 blog 2ちゃんねる化するウィキペディア
確かに、百科事典としての完成度は高いですが、その内容を鵜呑みにするようでは使い切れているとはいえません。深く知りたいなら編集履歴みるとか、他の検索手段ためすとかそのくらいはしたいところ。いや、それしないなら使用価値激減かな。

リアル

livedoor ニュース - 【ファンキー通信】90%の確率で元カノとヨリを戻す方法
最近はリアルでも「復縁工作」なる手の込んだ一種の騙しが行われているようです。ここまでくると疑う疑わないの問題でもないので防ぎようがないですね。笑

まとめ

  1. ユーザーが利害関係者の潜入を見抜く目をやしなう
  2. 利害関係者が潜入しても意味をなさないほどに母数を増やす。(利害関係者の数が一定数だとすると、集合知における他のユーザーの参加を増やす。ex.レビュー数、ブックマーク数を100以上にするよう運営者側がサービスの普及に尽力する!笑)

何らかの規制で問題を解決するという方法は非現実的なので省くとして、現実的なのは1でしょうね。もちろん2に関してはサービスの運営側が主体になって目指していかなければなりません。つまりは「嘘を嘘と見抜けない人は・・・」って奴ですね。出会い系なんかやるにもこの能力必須ですね。なかったら死にますね。笑

まあ、これ自体は「偽物のイクラと知って偽イクラを食うか、知らずにうめえうめえ言って食うか」程度の違い、という面も少なからずあります。どうでもいい人にとってはどうでもいいことなんだろうなと思いますが、個人的には腹が立つので偽イクラは偽イクラと知った上で食べたいと思います。おいしいおいしくないはその後です。要は騙されたくないんですよ!なんか嫌なんです!No Reasonで!だからweb上だってどこだって僕は性悪説を貫きたい。

一度対象に「騙されねえぞ!わかってるからな!」って嘲笑したあとに、向き合いたい。*1

*1:自覚としては疑心暗鬼ってほどでもないんですが。